再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~【リニューアル版】
「聞こえてた?」


「あっ、いや……全部じゃないですけど、でも、小川先生は声が大きいから、離れててもところどころ聞こえてしまって。何かイヤミを言われてるのかな? って。すみません、勝手に詮索して」


あんな表情と声のトーンじゃ、前向きな会話だとは思えないよね。賢人君の察してる通りだ。


「小川先生にしたら、こんな私が瑞と幼なじみなのが不思議だったみたい。お医者さんになるくらいの人はみんな頭がいいから、花屋で働く私が下に見られても仕方ないよ。実際、瑞は本当に天才だから」


苦笑いする私。


「下なんかじゃないです。愛莉さんは、いっぱい花のこと勉強して、知識がものすごく豊富で。花屋で働いてるから下に見るとか、僕は許せません。それに、小川先生には無い心の美しさを、愛莉さんは持っています」


「け、賢人君……」


「愛莉さんがいるから僕は頑張れてます。愛莉さんがいろいろ教えてくれるから、僕は花がもっと好きになったんです。全部、あなたの……愛莉さんのおかげなんです」


「そ、そんな、私なんて……」
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