再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~【リニューアル版】
平気なはずなのに、わけがわからない感情に振り回されて、涙がいっぱい溢れてくる。
止めたくても止まらない。
やっぱり、私は……
彼のことが好きだったんだ。


だ、大丈夫、大丈夫だよ。
私には仕事がある。大好きな花が、毎日癒してくれるから。
だから、早く……忘れよう。
そう自分に言い聞かせ、とにかくお風呂にゆっくりと浸かり、タオルをお湯で濡らして泣き腫らした目を温めた。


そして、パジャマに着替え、ホットミルクティーを飲んで……
私は、「ふぅ……」と、息を吐いた。


そして――


『わかった』


その4文字を打って、あの人のスマホに送信した。


これで、私は……1人になった。


24歳で彼氏も結婚相手もいないのは、正直、寂しい。でも、もう焦ることは止めた。心の底から好きな人が現れるまで、今は待ってみようと思う。
この先、そんな人に出会えるのかはわからないけど……


その時、なぜか瑞の顔がパッと浮かんだ。
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