再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~【リニューアル版】
「あ、あのさ。私なんかをデートに誘って……瑞って、彼女とか……いないの?」


口から自然に言葉が飛び出す。
こんなにも直球にプライベート過ぎる質問をするなんて。このタイミングで聞くことが正解なのかどうかわからないけど……どうしても気になってしまった。


もしかしたら、彼女はもちろん、ガールフレンドだってたくさんいるかも知れない。
っていうか、結婚してたりするかも知れない。その可能性だって十分あるんだよ。
なのに、私、本当に聞いて大丈夫なの?
心の準備はできてるの?


『いない』


「えっ……」


『彼女はいない。だから、お前を誘ってる』


本当に?
本当にいないの?
今の瑞に彼女がいないなんて信じられないよ。


でも、もし「いる」って答えが返ってきたら、私の気持ちは……どう動いたんだろう?


「あ、うん。そっか、彼女さんはいないんだ」


『ああ。愛莉は? 彼氏、いるの?』


うわっ、私も聞かれた。
まさか、今日フラれたばかりだなんて言えない。


「い、いないよ。彼氏なんか」


この答えに、間違いはない。
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