再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~【リニューアル版】
私が乗り物に酔いやすいこと……覚えててくれたんだ。さっきから私のことを心配してくれる瑞は、やっぱり根っからのお医者さんなんだと思った。
つい、人の体のことを気にかけてしまうんだろう。


「ありがとう。今は乗り物酔いしなくなったから平気だよ」


「そっか、それなら良かった」


瑞は、ニコッと笑った。


それにしても……
誰も乗せたことないとか、本当に?
彼女や、女友達も?
瑞って、今までいったいどんな人生を送ってきたんだろう。再会するまでは気にもしてなかったのに、今は……すごく気になる。


そんな気持ちを隠して、私は瑞に話しかけた。


「瑞は毎日頑張っててすごいよね。内科の先生ってかなり大変そうだけど……」


「内科だけが大変なわけじゃない。大学を卒業して、医師免許を取って、研修の時に全部の科を回ったけど、どこの科も大変だった」
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