青空@Archive
「同時に、登場人物の欠けたこの物語も死ぬ。崩壊するか再構築されるかは俺にも分からないが、今この不思議の国にある全てのモノがリセットされちまう事は確かだ」
俺達の記憶や存在が一瞬で書き換えられてもおかしくない、と言動の軽いイメージがある藍が、額に汗嫌なを湛えて歯噛みしていた。
「藍……つまりそれってアリスにあのナイフが刺さった瞬間に、ボクらみんな一巻の終わりって事でいいのか?」
「イエス」
「……ま、マズいじゃん! どうすんだよ!?」
今更ながら、状況の際どさに気が付いたボクだった。
「くビよクビ! みーンなクビになればいいのよーぅ! 首無しになれば肩がこらなくてすむのよー!」
遂に言うことまで支離滅裂に壊れてきた女王は、今にもアリスの首を刎ね飛ばしそうな勢いで、短剣を振り回していた。
恐らく、こんなノリで王様の首も刎ねたんだろう。
常識が通用しない相手は危険だ。それは常識外の常識にも当てはまるらしい。
「トランプ兵も、今のこの女王の状態じゃあ片っ端から首を落とされかねないからな。わざわざ全員ましな方の“クビ”にしてやったってのに……」
船長もピーターも、女王の言動が不安定なので迂闊に動けないでいた。そのまま時間だけがじりじりと過ぎる。
聞こえるのは、耳障りな赤の女王の甲高い笑い声だけだった。
「藍!」
突然、この膠着状態が破られる。黙って拘束されていたアリスが声を張り上げたのだ。
「これで私ごと女王を――」
言うなり蹴り飛ばした鉄の塊が、ゴトリとボクらの目の前に転がる。
「“撃って”」
俺達の記憶や存在が一瞬で書き換えられてもおかしくない、と言動の軽いイメージがある藍が、額に汗嫌なを湛えて歯噛みしていた。
「藍……つまりそれってアリスにあのナイフが刺さった瞬間に、ボクらみんな一巻の終わりって事でいいのか?」
「イエス」
「……ま、マズいじゃん! どうすんだよ!?」
今更ながら、状況の際どさに気が付いたボクだった。
「くビよクビ! みーンなクビになればいいのよーぅ! 首無しになれば肩がこらなくてすむのよー!」
遂に言うことまで支離滅裂に壊れてきた女王は、今にもアリスの首を刎ね飛ばしそうな勢いで、短剣を振り回していた。
恐らく、こんなノリで王様の首も刎ねたんだろう。
常識が通用しない相手は危険だ。それは常識外の常識にも当てはまるらしい。
「トランプ兵も、今のこの女王の状態じゃあ片っ端から首を落とされかねないからな。わざわざ全員ましな方の“クビ”にしてやったってのに……」
船長もピーターも、女王の言動が不安定なので迂闊に動けないでいた。そのまま時間だけがじりじりと過ぎる。
聞こえるのは、耳障りな赤の女王の甲高い笑い声だけだった。
「藍!」
突然、この膠着状態が破られる。黙って拘束されていたアリスが声を張り上げたのだ。
「これで私ごと女王を――」
言うなり蹴り飛ばした鉄の塊が、ゴトリとボクらの目の前に転がる。
「“撃って”」