青空@Archive
「そんな訳で、チェシャがギリギリで私に渡してくれた時計のお陰で、私もハートの女王も助かったの」
「んぅ……う……」
どうやらその本人がお目覚めのようだ。
「うむぅ……ここは?わらわは……」
「お、目が覚めた?オ・バ・サ・ン」
出し抜けに目の前に飛んできたピーターに巨体を揺らして面食らいながらも、女王は正確に言葉を理解していたと見える。
「お、オバっ……!?無礼者!わらわを誰だと思っておるのじゃぁ!」
みるみるうちに顔が、自分のハート模様といい勝負まで赤くなっていく。
気が短いのは素らしい。
「お許しください女王さま。この者はこの世界の住人ではありません故」
「おお、アリス!主もおったのかえ?」
「うぇえ?!」
ハートの女王の傍に片膝をついてしゃがんだアリスは、いつの間にか僕やピーターより小さい子供の姿になっていた。
後から聞いた話によると、姿形はシナリオを演じるとき以外は好きに変えられるという。
で、女王の機嫌をとる時は子供の姿の時が一番やりやすいらしい。
「ええ」
「それで……ここはどこじゃ?それに何故(なにゆえ)わらわはこのような薄汚れた板の上に寝転んでおる!」
「んな!?俺の船を『薄汚れた板』だと!?……殺す」
「待て待て待て待てぃ!!」
ホントに鉤爪を振りかざしながら飛び出しかねない船長を、僕と藍でなんとか押し留める。
そんな事になったら本末転倒だ。
転倒し過ぎて全部ぱーだ。
僕は船長の上質そうな上着を引っ張りながら、話題を逸らそうと女王に聞いた。
「もしかして、何も覚えてねぇの―――」
「しぃぃぃいいいおぉぉぉおおおんーーー!!」
……ギャー!
「……お、覚えて無いんでございますか……?」
「よろしい」
女王が答える前に、少女姿のアリスから物凄い剣幕で叱責が飛んできた。
まさかここまで口調を突っ込まれようとは……。
う、なんかアリスの背後にうにゃらうにゃらしたものが見えまする……。
「んぅ……う……」
どうやらその本人がお目覚めのようだ。
「うむぅ……ここは?わらわは……」
「お、目が覚めた?オ・バ・サ・ン」
出し抜けに目の前に飛んできたピーターに巨体を揺らして面食らいながらも、女王は正確に言葉を理解していたと見える。
「お、オバっ……!?無礼者!わらわを誰だと思っておるのじゃぁ!」
みるみるうちに顔が、自分のハート模様といい勝負まで赤くなっていく。
気が短いのは素らしい。
「お許しください女王さま。この者はこの世界の住人ではありません故」
「おお、アリス!主もおったのかえ?」
「うぇえ?!」
ハートの女王の傍に片膝をついてしゃがんだアリスは、いつの間にか僕やピーターより小さい子供の姿になっていた。
後から聞いた話によると、姿形はシナリオを演じるとき以外は好きに変えられるという。
で、女王の機嫌をとる時は子供の姿の時が一番やりやすいらしい。
「ええ」
「それで……ここはどこじゃ?それに何故(なにゆえ)わらわはこのような薄汚れた板の上に寝転んでおる!」
「んな!?俺の船を『薄汚れた板』だと!?……殺す」
「待て待て待て待てぃ!!」
ホントに鉤爪を振りかざしながら飛び出しかねない船長を、僕と藍でなんとか押し留める。
そんな事になったら本末転倒だ。
転倒し過ぎて全部ぱーだ。
僕は船長の上質そうな上着を引っ張りながら、話題を逸らそうと女王に聞いた。
「もしかして、何も覚えてねぇの―――」
「しぃぃぃいいいおぉぉぉおおおんーーー!!」
……ギャー!
「……お、覚えて無いんでございますか……?」
「よろしい」
女王が答える前に、少女姿のアリスから物凄い剣幕で叱責が飛んできた。
まさかここまで口調を突っ込まれようとは……。
う、なんかアリスの背後にうにゃらうにゃらしたものが見えまする……。