「お飾りの役立たずは不要だ」とクズ皇太子に婚約破棄された大聖母、隣国の王子に(契約)結婚しようとスカウトされる~あなたが本当に愛する人と幸せになるよう大聖母から悪女にポジションチェンジしますわ~
 そのキラキラどきどきの光景を、しばらくの間見惚れてしまった。

 しかし、それもすぐに冷めた。

 同時に直感した。

 あれがチャーリーの愛する人なのだ、と。

 そう直感すると、途端にその光景を見たくなくなった。見てはいけないものを見てしまったというよりか、見たくないものを無理矢理見せられたような気になった。

 元婚約者の愚か者は、わたしの前で散々他のレディとイチャイチャしていた。そのときにはまったくわき起こらなかった得体の知れない感情に支配され、いたたまれなくなった。
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