「お飾りの役立たずは不要だ」とクズ皇太子に婚約破棄された大聖母、隣国の王子に(契約)結婚しようとスカウトされる~あなたが本当に愛する人と幸せになるよう大聖母から悪女にポジションチェンジしますわ~
「ラン、すまない。告げるかどうか迷ったのだが、告げないのはフェアじゃないと考えた」
「いいのよ、チャーリー。教えてくれてありがとう」
「ラン。さしでがましいが、きみのせいではないということだけ言わせて欲しい」

 彼は立ち上がり、ローテーブルをまわってこちらにやってきた。

 見上げると、主寝室内の灯りを受けてよりいっそう輝いている彼の美貌がこちらを見おろしている。

「きみに非はない。すべて皇太子みずからが招いたことだ」

 彼は、隣に座ると自然な動作でわたしの肩を抱いて引き寄せた。自然とわたしの頭が彼の左肩にくっつき、彼にもたれかかる。

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