「お飾りの役立たずは不要だ」とクズ皇太子に婚約破棄された大聖母、隣国の王子に(契約)結婚しようとスカウトされる~あなたが本当に愛する人と幸せになるよう大聖母から悪女にポジションチェンジしますわ~
「陛下のおっしゃる通りです。わたしもランに諭され、気がつきました。そのときには納得がいかなかったのですが。侍女や執事たちの様子を見ていると、ランの言うことは間違っていないと納得せざるを得なかったのです。陛下にもランにも信じてもらえないでしょうが、今夜のこの宴を提案したわたしの気持ちは、陛下のそれと同じことです。それ以外の他意はございません。それに……」

 王妃は立ち上がると数段ある段を降りてきた。そして、わたしの前に立って見おろした。

(なんて背が高いの……)

 王妃が男性以上に長身であることに、いま初めて気がついた。それに、いまだその美しさは衰えを知らないようで、美しさが際立っている。
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