「お飾りの役立たずは不要だ」とクズ皇太子に婚約破棄された大聖母、隣国の王子に(契約)結婚しようとスカウトされる~あなたが本当に愛する人と幸せになるよう大聖母から悪女にポジションチェンジしますわ~
「いずれにせよ、おれも挨拶しておいた方がいいだろう。義父(ちち)上だからね」
「殿下、無理なさいませんよう」

 チャーリーには家族のこと、もとい家族と呼べるかどうかも不確かな存在の人たちについて、包み隠さず話している。

 律儀で思いやりのある彼は、何度も申し出てくれたのである。

「きみの家族を救おう」

 そのように。アディントン王国の諜報員たちなら、すこし前にギルモア王国に占領された皇都から家族を救いだせるかもしれない。
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