「お飾りの役立たずは不要だ」とクズ皇太子に婚約破棄された大聖母、隣国の王子に(契約)結婚しようとスカウトされる~あなたが本当に愛する人と幸せになるよう大聖母から悪女にポジションチェンジしますわ~
「チャーリー、やめてくれよ」

 チェスターは、可愛らしく頬を膨らませた。

 わたしたちだけのとき、彼はざっくばらんな態度をとる。

「近衛隊だって彼女を止めることは出来ない。知っているだろう?」

 チェスターの「彼女」という言葉で、面会を求めているのがチャーリーの愛する人なのだと知れた。

「ああクソッ、勘弁してくれ……」
「チャーリーッ!」

 その瞬間、執務室の扉が力いっぱい開けられた。

 その凄まじい音で、おもわず飛び上がってしまったほどである。
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