「お飾りの役立たずは不要だ」とクズ皇太子に婚約破棄された大聖母、隣国の王子に(契約)結婚しようとスカウトされる~あなたが本当に愛する人と幸せになるよう大聖母から悪女にポジションチェンジしますわ~
「それで? わたしに何の用かしら?」

 疲労にドッと襲われたけれど、おくびにも出さない。

 それが悪女だと思うから。

「えっと、『大聖母』、ラン・ウインザー公爵令嬢。はじめまして。おれは、チャーリー・ラザフォード。アディントン王国の外交官なんだ」
「ラザフォード? 王族なの?」

 ラザフォードは、アディントン王国の偉大なる王家の名である。
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