「お飾りの役立たずは不要だ」とクズ皇太子に婚約破棄された大聖母、隣国の王子に(契約)結婚しようとスカウトされる~あなたが本当に愛する人と幸せになるよう大聖母から悪女にポジションチェンジしますわ~
「ちょちょちょ、ちょっと待ってよ。どうしてそんな解釈になるのよ。あなたこそ、愛する人がいるでしょう?」
「愛する人って、その意味がわからないよ」

 彼は、美しすぎる顔を左右に振った。

「そんな人、いるわけがない。いや、間違いだ。たしかにいる。この世でただ一人、愛する人が」
「ほら、その人よ。その人のことを言っているのよ。それがだれなのって尋ねているの」

 いよいよだわ。かなりかみ合わなかった気がするけれど、なんとかききだせそう。

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