「お飾りの役立たずは不要だ」とクズ皇太子に婚約破棄された大聖母、隣国の王子に(契約)結婚しようとスカウトされる~あなたが本当に愛する人と幸せになるよう大聖母から悪女にポジションチェンジしますわ~
「当り前さ。きみを愛しすぎているし、大切に思いすぎている。きみ自身もそういう雰囲気になってくれるまではガマンしよう。怖がらせたくないからね。だから、かなりムリをしているんだ」

 彼は、また隣に座っている。そのタイミングで、体を密着させてきた。

「どれだけガマンしていることか……」

 さらにグイグイ体をおしつけてきた。

「ごめんなさい。こういう経験がないから、あなたがどのくらいガマンしているのかわからないの」

 正直に答えた。だって、ほんとうのことだから。
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