「お飾りの役立たずは不要だ」とクズ皇太子に婚約破棄された大聖母、隣国の王子に(契約)結婚しようとスカウトされる~あなたが本当に愛する人と幸せになるよう大聖母から悪女にポジションチェンジしますわ~
(まったく自覚がないわ)

 ある意味、これまでショックを受けた数々のことよりもショックかもしれない。

「まぁいいわ。そこは、なかったことにしてちょうだい」

 悪女たるもの不都合なことは即消去、あるいは改竄よ。しかも、そうするようエラそうに命じるの。

「あー、もう。愚か者に婚約を破棄されて傷心のはずなのに。もうっ! わたしったらなにを言っているのかしら。わかったわよ。認めるわ。チャーリー、あなたのことを愛している。わたしは、あなたを愛している。これでいい? いいわよね?」

 愛の告白にしては、どこかおかしくないかしら?
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