「お飾りの役立たずは不要だ」とクズ皇太子に婚約破棄された大聖母、隣国の王子に(契約)結婚しようとスカウトされる~あなたが本当に愛する人と幸せになるよう大聖母から悪女にポジションチェンジしますわ~
「もう待ちきれないんだ」
「そんなわけないわよ。これまでどれだけ待った? それがたった一夜か二夜、待てないわけないわ」

 ついさっき、「愛しすぎたり大切に思いすぎて手が出せなかった」って言わなかった?

「感情が爆発したんだ。貯水池と同じさ。いったん堰をきったら、水を止めるのは難しい。おれのきみへの愛と想いは、いままさにそれなんだ」
「それにしても急すぎるわ」

 拒んではいるものの、彼の望んでいることがわたしの望みであることを認識せざるを得ない。

 つまり、わたしもそうしたいと願っている。
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