「お飾りの役立たずは不要だ」とクズ皇太子に婚約破棄された大聖母、隣国の王子に(契約)結婚しようとスカウトされる~あなたが本当に愛する人と幸せになるよう大聖母から悪女にポジションチェンジしますわ~
 その瞬間、唇に感じたのは彼の唇。

 その熱さは、声が出そうになったほどである。もちろんガマンした。唇をギュッと引き結んで。

「ラン、愛している。きみを一生愛するし、大切にする。寂しい思いをさせないし、不安にもさせない。なさらには、美味しいものと笑いは欠かさない。だから、おれといっしょにいて欲しい。添い遂げて欲しい」

 一度離れた彼の唇からもれでた言葉……。
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