「お飾りの役立たずは不要だ」とクズ皇太子に婚約破棄された大聖母、隣国の王子に(契約)結婚しようとスカウトされる~あなたが本当に愛する人と幸せになるよう大聖母から悪女にポジションチェンジしますわ~
 チャーリーは、まず食事を振る舞ってくれた。

 驚くほど豪華ではない。鶏肉のシチューに挽き肉のパイ。ジャガイモや白身魚のフライに野菜たっぷりのサラダ。食後には、アップルパイにバニラアイスを添えたデザートまで出してくれた。

「大聖母」は、食事にも気を使わねばならなかった。というよりか、皇宮では「大聖母」は食べずに祈るものと謎の認識をされていたので、食べ物の類はいっさい出なかった。よくて水が出された程度だった。

 そして、ウインザー公爵家では、「大聖母」だからと理由をつけてろくに食事を出してもらえなかった。

 使用人や料理人たちは、すっかりお義母(かあ)様やお義姉(ねえ)様に飼いならされている。したがって、こっそり分け与えてくれるということもなかった。それどころか、わたしをなめきっていた。
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