「お飾りの役立たずは不要だ」とクズ皇太子に婚約破棄された大聖母、隣国の王子に(契約)結婚しようとスカウトされる~あなたが本当に愛する人と幸せになるよう大聖母から悪女にポジションチェンジしますわ~
「ただ、公の場にはいっしょにいてもらうし、周囲には一応夫婦だからいっしょにいさせてもらうことも多い。それだけは留意してほしい」
「ほんとうに? いまの条件、間違いないわね?」
「ああ、間違いない」
「どうせ公に追放されたし、家からは勘当されたし、行くところがなくて路頭に迷うところだったの。あなたの申し出は、わたしにとってさいわいだわ。そうね。愛のない『契約結婚』。悪女としてあらたな人生を歩むにはちょうどいいかもしれない」
「では、受けてくれるね?」
「ええ、いいわよ。でも、ひとつだけ教えて。動機は? どうして『契約結婚』をするの?」
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