「お飾りの役立たずは不要だ」とクズ皇太子に婚約破棄された大聖母、隣国の王子に(契約)結婚しようとスカウトされる~あなたが本当に愛する人と幸せになるよう大聖母から悪女にポジションチェンジしますわ~
 もちろん、そういうことはおくびにも出さない。

 可愛げのないこと、不快に思うであろうことばかり口走る。

 きっと彼は、不愉快だったり面白くないと感じているはず。

 だけど、それが契約。わたしは、悪女であることが大前提。だから、悪びれずに可愛げのない態度を貫いている。

 チャーリーとの楽しいひとときとは別に、違う意味で楽しいひとときをすごすことがある。

 それは読書、といいたいところだけど違う。もちろん、読書も楽しんでいる。だけど、それはチャーリーといっしょにということが多い。ひとりで本を読むのは、夜眠る前に寝台で横になっているときだけ。とはいえ、たいてい読み始めてニ、三行くらいで眠ってしまっているけれど。
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