「お飾りの役立たずは不要だ」とクズ皇太子に婚約破棄された大聖母、隣国の王子に(契約)結婚しようとスカウトされる~あなたが本当に愛する人と幸せになるよう大聖母から悪女にポジションチェンジしますわ~
(なるほど。ただの言いがかりね)

 第四王子の正妃の侍女二人は、国王の側妃にギャーギャーわめかれてすっかり委縮してしまっている。それを、王子妃はなす術もなくうなだれてきいている。

「みなさん、おはようございます」

 まずは、人間(ひと)としての基本の挨拶をした。

 庭用のテーブル席についている全員、それからすぐ近くに佇んでいるそれぞれの侍女たちがいっさいにこちらを見た。
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