「お飾りの役立たずは不要だ」とクズ皇太子に婚約破棄された大聖母、隣国の王子に(契約)結婚しようとスカウトされる~あなたが本当に愛する人と幸せになるよう大聖母から悪女にポジションチェンジしますわ~
 たしかに美貌だけど、このレベルの美貌はほんとうに多い。

 とにかく、ここにいるわたし以外のレディは、侍女なども含めてみんな美しい。そういうレディしかいないといっても過言ではない。

 よりいっそう美しいか、逆にわたしのように地味すぎたら覚えられるのだけど……。みんないっしょだと区別が難しい。

「お礼が遅くなったけれど、この前はありがとう。あなたのお蔭で、わたしだけでなく彼女たちも助かったわ」
「ラン様、ありがとうございました」
「ラン様、お礼申し上げます」

 パトリシアだけでなく、侍女二人も頭を下げた。
< 72 / 227 >

この作品をシェア

pagetop