「お飾りの役立たずは不要だ」とクズ皇太子に婚約破棄された大聖母、隣国の王子に(契約)結婚しようとスカウトされる~あなたが本当に愛する人と幸せになるよう大聖母から悪女にポジションチェンジしますわ~
「ラン、もたれたらいいよ。眠るといい」

 チャーリーが言ってくれたので、素直に彼の肩にもたれた。

 彼の見た目よりずっと立派な肩のぬくもりを感じつつ、ふと思った。

 こんなにしあわせでいいの、と。それから、彼を独占していていいの、とも。

 彼が愛する人は、きっと寂しい思いをしているに違いない。彼に会いたいと切望しているに違いない。

 そう思うと、不安になってくる。
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