キスから始まる恋
「どうかしたの?」

松本が心配そうに覗きこんできた

その近さにちょっとびっくりして少し顔を逸らした

「なんで?」

なんでもないことのように答えると

「ため息ついてたから、あのゴーイングマイウェイの草野相手に疲れたのかと思って」

「ゴーイングマイウェイ?」

「あ、私がいったんじゃないわよ!琴美が………」

「ぶ、わぁはは……」

思わず爆笑してしまった

たしかに草野は我が道をいくタイプだ

「斉藤と松本って面白いな」

「私は関係ないでしょ!」





おかげでなんとなくあった気まずい空気もなくなった

斉藤に感謝しなくちゃな




「それにしても、遅くまで手伝いしてたんだな」

「草野が山のように作業持ってきて、今週中にやれっていったのを1日で仕上げたから」

「……さすが草野」

「そこは、さすが松本じゃない?」

「いや、さすが草野だ。松本の性格よくわかっている。今週中にしろっていったら、絶対嫌がって1日で終わらせるとわかってていってるから」

「………もしかして、うまく利用されてる」

「かもな」







< 22 / 52 >

この作品をシェア

pagetop