キスから始まる恋
「あー、最悪」

そういって、机に顔をうずめた私を見て

「もー、何度も声かけたのに、全く気づかないんだもん」

と、後ろの席から声をかけてきたのは

親友の斉藤琴美

少し茶色がかった髪(地毛だと本人はいっている)は肩までかかって軽くカールし、肌は真っ白に透き通り、瞳ははっきりとした二重。お人形さんのように可愛い子だと初めてあった高1のとき思った

が、性格はどちらかというとかなりさっぱりした子で私たちはすぐ意気投合した

「なに考えてたの?」

「あー、ちょっと昔を思い出してました」

「楽しかった野球少女時代?」

「そうそう、楽しかった野球少女時代……って、なんか変だね」

「え、そうかな?じゃあ、ベースボールガール?」

「いや、英語にすればいいわけではなくて」

可愛い顔して天然な琴美

なんだか会話が漫才みたいになってきたと思ったら

隣からクスクスと笑い声が






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