キスから始まる恋
「そこ!人の話を盗み聞きしない」

隣の席の上林隆史を睨みつけていった

「声がでかいから聞こえたんだよ」

隆史は父のチームで一緒に野球をしていた仲間だった

当時からいい球を投げるピッチャーだった隆史は

今も野球を続けていて、強豪校といわれるうちの次期エース候補だといわれている

私が野球できなくなっても

いままでと変わらず接してくれた唯一の仲間だ

「それにしても斉藤とカズの会話はいつ聞いても笑えるな」

私の名前は松本和美

みんな私を『カズ』と呼ぶ

「そんな変な会話してないけど、ね、カズ」

「………ごめん、あんまり否定できない」

私の言葉に琴美は「えー、なんで」といい

隆史は爆笑していた




そんな、2人の向こう側でこちらを静かに見つめる視線に私は戸惑っていた





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