『春・夏・秋・冬』
「ごめ……ごめんね……」
頬を伝う涙が温かくて、そこで初めて体が冷え切っているのだと気付いた。
寒さのためか、夏を失うかもしれない恐怖からか、それともこれから自分がどうなるか分からない状況への不安からか。
ガクガクと全身が震えてきた。
そんな私を、冬は優しく包んでくれた。
「僕もごめん。不安がらせちゃったね」
細いように見えて、意外にがっしりした冬の胸に顔を埋めて、こんなときなのに不謹慎にも早鐘を打つ私の心臓。
「夏は大丈夫だよ。アイツが諜報員なら、きっと助けに来てくれるから」
「……うん」
「帰ったら、春を慰めないと。きっと泣いてるからね」
「うん……!」
冬の声は魔法みたい。
小刻みに震えていた体が、優しさに包まれて徐々に落ち着きを取り戻していく。
ギュッと目を閉じた私は。
改めて冬への強い想いに気付いて。
一緒に捕まったのが冬で良かったと、浅ましくも思っていた……。
頬を伝う涙が温かくて、そこで初めて体が冷え切っているのだと気付いた。
寒さのためか、夏を失うかもしれない恐怖からか、それともこれから自分がどうなるか分からない状況への不安からか。
ガクガクと全身が震えてきた。
そんな私を、冬は優しく包んでくれた。
「僕もごめん。不安がらせちゃったね」
細いように見えて、意外にがっしりした冬の胸に顔を埋めて、こんなときなのに不謹慎にも早鐘を打つ私の心臓。
「夏は大丈夫だよ。アイツが諜報員なら、きっと助けに来てくれるから」
「……うん」
「帰ったら、春を慰めないと。きっと泣いてるからね」
「うん……!」
冬の声は魔法みたい。
小刻みに震えていた体が、優しさに包まれて徐々に落ち着きを取り戻していく。
ギュッと目を閉じた私は。
改めて冬への強い想いに気付いて。
一緒に捕まったのが冬で良かったと、浅ましくも思っていた……。