12上の御曹司と女子高生は愛を育めない
魅入られたように光生さんの目を見ていた。
こんないつも偉そうにしている人が、緊張しているというのが私にも伝わってくる。
たかが高校生の取り柄の無い私に、はるか大人の、それも御曹司でもある凄い人が熱烈な言葉を私に投げかけてくれている事自体現実感が無い。
どうしよう、ここまで言われるなんて思いもしなかった。
もしかしたら、まだ、なんて嫌がりながらも期待していた自分が恥ずかしくて、俯いた。
楽しかった。光生さんといるのは楽しい。
だけれど大人の世界を知れて、自分の知的好奇心がそれを好きと勘違いさせているのか、普通なら味わえない贅沢を味わうことで承認欲求でも満たされてそれを求めているのか。
私はそもそも光生さんに恋をしているのだろうか。
恋をしていると、どうやったら確信できるのだろう。