12上の御曹司と女子高生は愛を育めない
光生さんのお父さんにも言われた、私は弱点で狙われやすく、それにより光生さんがミスをすることになったら反対勢力に利用されてしまうと。
でもいまいちその状況が想像できなかった。
既に高校生と付き合っている、それも一回りも年下というだけで弱点なのに、私をどう狙うというのだろう。
高校生と付き合い年齢差とかは既に光生さんも腹をくくっているのだから、例えば光生さんと交際しているのに誰かと浮気している、何てのが流れれば・・・・・・光生さんはショックを受けるだろうか、何だかそれも想像できない。
頭の上に大きな手が乗り、ゆっくりと撫でられる。
「怯えさせるつもりは無いが、少しの期間注意していて欲しい。
それと三月までやはり忙しくなってほとんど会えない。
すまないな、寂しい思いをさせるが」
申し訳なさそうに言いながら私の頭を撫でるので、私は手を伸ばし彼の頭を撫でれば、彼は驚いたような顔をした。
「そもそもほとんど会えてないけど寂しくないので変わらないです。
そっちこそ寂しいでしょうから、そういう時は無理せず甘えるんですよ?」
ニヤリと笑えば、光生さんの頬がヒクつく。
「高校生のガキのくせに」
「12歳も下の女子高生にメロメロのくせに」
「高校生ってメロメロなんて言葉使うのか」
「え、そこ?!」
毎度の馬鹿馬鹿しいやりとりをして笑い合うと、私は彼の名を呼ぶ。
「以前も言いましたが私は光生さんの味方です。
私は高校生で力も無いですけど、こうやって心配していること、そして愚痴も甘えも受け止めるのを約束します。
私は貴方の彼女ですから」
光生さんは私の言葉に目を細め、
「年齢なんて、年の差なんて関係無いな。
紫央里は俺の支えだよ」
再度彼の手が伸びてきて抱きしめられると、顎を軽く掴まれ上を向かされる。
私が目を瞑れば、優しい口づけが降り注ぐ。
私はこの温かさに溺れるように、背中の服を強く掴んだ。