12上の御曹司と女子高生は愛を育めない
第二章 12歳も上にほだされてたまるか
怒濤の土曜日を終えた翌日の日曜日。
両親から再度色々と聞かれたが、流石にあれは向こうの光生さんのご両親を欺く嘘だと言うのは、うちの父親が光生さんの系列会社にいる以上は言わない方が良いのだろう。
だが誤解されているのもこちらにとって迷惑な話だ。
つい先ほど別れたのだと親に伝えれば、それはおかしいと詰め寄られる始末。
確かに無理があるのはわかるけれど、そもそもこの地味な私がイケメン御曹司と付き合えること自体に疑問を持って欲しい。
あぁいう人は気持ちもコロコロ変わるものなんだよ、それなりに傷ついているから放っておいてと最後は切れ気味に言えば、さすがに両親も追求を止めてくれた。
夜になっていつも通り家族で食事をし、スマホにメールが届いているので見ると光生さんから。
この人懲りないなと嫌な気持ちになりながら見てみれば、
『今日の報告はどうした』
という一文のみ。
イラッとする。
その苛立ちが背が高くてイケメンの顔やスタイルなど思い出さずに、我が侭俺様どちら様な雰囲気しか思い出せない。
私は考える時間も無駄に思えて、食事の終わった皿をスマホで写真を撮りそれだけを添付した。
晩ご飯を食べ終わったという何よりの報告だろう。
だがすぐに『面白いネタと言っただろ』と返信が。
この人28歳だよな、構ってくれる人がいないのだろう。そう思うと不憫に思えてくる。
だけれどその相手を女子高生に頼むものだろうか。
むしろ接点が無いから興味が湧く、その方が納得出来るけれど。
『女子高生の生態が知りたいなら、私などより原宿にでも行って見学して下さい』
と送ると、またすぐに『紫央里の生態を教えろ』とセクハラまがいの言葉が来たので、『主に水、たんぱく質、ミネラル、脂肪』と身体を構成する成分を送ってやった。
また文句が返ってきてLINEのIDも教えろともあるけれど無視することにした。
この人、よほど寂しいか御曹司だから暇なのだろう、何だか色々不憫だ。