12上の御曹司と女子高生は愛を育めない
「なに、してるんですか」
「子供に持たせるからな、色々と初期設定を」
「GPS解除して下さいね、あと盗聴アプリとか変なの入れないで下さいよ」
「はは、持つのは了承してくれたか。とりあえず俺の写真を壁紙にしておいた。ちなみに変更不可だ」
「どんな悪質な嫌がらせですか!!」
「これで他の男に何か言われたら、彼氏ですって言えるだろ」
そう言ってスマホを差し出され嫌々見ると、何故か今日テーマパークで二人並んで手を繋ぎ歩いている写真だった。
そもそもいかにも他人が撮影したような写真があるのか。
スマホを持ったまま身体が震えてくる。
「なんで、こういう写真があるんですか・・・・・・」
「春日部のカメラの腕は良いだろう?他にも沢山あるから後で送ってやる」
「そういう、問題じゃ、無い!!!」
「そんな大声出すと車の外にも響くぞー」
慌てて周囲を見ても特に人も通ってい無くてホッとすれば、光生さんは楽しげに笑っている。
この人、意図的にこういう無邪気な笑み浮かべるのかな、無意識かわからない。
私はもうやりとりするのが面倒になってそのスマホを受け取った。
暖簾に腕押し、これ以上やっても不毛だ。
カチャという音に、ドアのロックが外れたと気づく。
何だか最後ドッと疲れたけれどこれでようやく解放される。