12上の御曹司と女子高生は愛を育めない
「何だか話して冷静になれたというか、お坊ちゃまの行動の意図が理解できたかも」
私はぼそっと言ってペットボトルのお茶を飲む。
その液体が喉を流れていくように、詰まっていた違和感が少しは消えた感じだ。
「ようは、自分が都合良く利用されていたのを理解したと」
「それはわかっていたんだけどね」
苦笑いすれば桃が、
「そいつが紫央里を利用している点は私も同じ考えなんだけど、大会社の御曹司なんでしょ?
そういう人ってきっと色々ありそうだし、嫌がっているスマホはきちんと持ってた方が良いと思うわよ」
「そうだよねぇ」
「どうしても縁を切りたければ、彼の会社で待ち伏せでもしたら?
そこで親しげに声かけてみて、向こうの出方次第でわかるんじゃない?」
「いやいや、そういうのは怖くて無理」
桃が恐ろしい提案をしてきて、手を振って否定する。
さすがに光生さんが勤めている会社を検索したけれど、都心のオフィスエリアにある馬鹿でかいビルにお勤めで、そこに女子高生がいること自体おかしい。
下手に巻き込まれるよりあまり近づきたくは無い。
楽しそうにまだ質問してくる友人にため息をついて、最後に残していた卵焼きを口にした。
私はぼそっと言ってペットボトルのお茶を飲む。
その液体が喉を流れていくように、詰まっていた違和感が少しは消えた感じだ。
「ようは、自分が都合良く利用されていたのを理解したと」
「それはわかっていたんだけどね」
苦笑いすれば桃が、
「そいつが紫央里を利用している点は私も同じ考えなんだけど、大会社の御曹司なんでしょ?
そういう人ってきっと色々ありそうだし、嫌がっているスマホはきちんと持ってた方が良いと思うわよ」
「そうだよねぇ」
「どうしても縁を切りたければ、彼の会社で待ち伏せでもしたら?
そこで親しげに声かけてみて、向こうの出方次第でわかるんじゃない?」
「いやいや、そういうのは怖くて無理」
桃が恐ろしい提案をしてきて、手を振って否定する。
さすがに光生さんが勤めている会社を検索したけれど、都心のオフィスエリアにある馬鹿でかいビルにお勤めで、そこに女子高生がいること自体おかしい。
下手に巻き込まれるよりあまり近づきたくは無い。
楽しそうにまだ質問してくる友人にため息をついて、最後に残していた卵焼きを口にした。