バツイチ女の愛され具合


「ママ今日も遅刻~」ケラケラ笑いながら外靴を玄関の踊り場に投げ捨てる幸喜に
毎日ごめんねと謝るどうしようもない母親。


幸喜の脱ぎ捨ててく園の制服を拾い集めていると

玄関のドアが開く音と同時に蛍(けい)が学校から帰ってきた。

「ママ、ただいま!友達と遊びに行ってもいい?」

玄関から聞こえる声

幸喜の脱いだものを両手に抱きながら玄関に行くと

靴を丁寧に揃えてる蛍の姿が見える。
こういう丁寧な面は父親に似たのだろう。

「あ!遊びに行ってもいいけど、今日、パパ来るよ!」

思い出したように伝える私に

蛍の目がキラキラっと輝く

「日曜日じゃないのに!?」

嬉しそうな蛍の顔と…

満面の笑顔で素っ裸で駆け寄ってきた幸喜の笑顔を見ると

私一人だけがちょっと悔しい気持ちになる。


< 4 / 10 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop