真実の愛は嘘で守って・・・。
【俺の血だけにして】Side楓
「なんでここに・・・」
「あっ、優李ちゃんとこの人間くん」
教師に優李から呼び出しが入っていると言われ、指定された場所に来たが、なんだこれは?
俺を見て凍り付く優李の口から真っ赤な血が垂れており、その後ろでは銀髪の美しい青年が首から血を流している。
目から情報としては入ってくるのに、頭がそれを処理できない。
「楓、あのこれは・・・」
「そうそう楓くん。嬉しいな、一度話してみたかったんだよね。
優李ちゃんが血を吸いたくないくらい・・・」
「やめて!」
優李に止められ、青年はついうっかりといったように「ごめんね」と謝る。
だけど、はっきりと聞いてしまった。
「俺の血を吸いたくない?」
「楓、違うくて・・・」
「ごめん、ごめん。今のは僕が勝手に・・・」
「お前に聞いてないんだよ!」
「楓!」
人間の俺が貴族の子息にこんな口を聞くなんて、下手すりゃ処刑だ。
だけど、今の俺にそんなことを気にしてられる余裕はなかった。
「いいよ、いいよ。僕がいらないこと言ったし。とりあえず、僕は行くね」
そう言って、わざわざ優李の噛み痕を見せつけるかのように俺の横を通ってドアへ向かう。
「あっ、今日ちょっとしか飲めてないだろうから、もし血が足りなかったらいつでも言ってね」
爽やかな笑顔で出ていった奴と違い、その言葉でさらに優李の顔は青ざめていく。
言葉にされて処理できていなかった現状をようやく理解できた。
怯える優李に近づき、彼女の口に付いた血を拭う。
「優李、俺以外の血、吸ってたんだ」
「違っ・・・」
「違わないだろ!」
最近、優李が俺の血を吸う量が減っていたのはこういうことか。
俺を呼び出して見せつけてまで、俺の血を飲みたくなかったのか。
正直、優李が誰の血を吸おうと俺に怒る権利なんてない。
だけど、唯一の特別を奪われて嫉妬と悲しみに心が支配される。
「俺の血、不味くなった?」
「違うっ・・」
「俺の血を吸いたくないくらい」
「楓、聞いて・・・」
「あいつの血の方が美味かった?」
「楓!」
俺の首に抱きつき涙で声を震わせながら「お願い、聞いて」と哀願する優李。
そんな優李に一番聞きたくない質問をした。
「俺のこと要らなくなった?」
「そんな訳ないっ・・・」
「でも、血はあいつの方がいいんだろ?」
「違う!楓の血がいい!美味しいのは楓の血だけだよ」
「じゃあ、なんで!」
「・・・殺したくないの」
「え?」
予想外の言葉に俺はようやく優李の話に耳を傾けることができた。
「あっ、優李ちゃんとこの人間くん」
教師に優李から呼び出しが入っていると言われ、指定された場所に来たが、なんだこれは?
俺を見て凍り付く優李の口から真っ赤な血が垂れており、その後ろでは銀髪の美しい青年が首から血を流している。
目から情報としては入ってくるのに、頭がそれを処理できない。
「楓、あのこれは・・・」
「そうそう楓くん。嬉しいな、一度話してみたかったんだよね。
優李ちゃんが血を吸いたくないくらい・・・」
「やめて!」
優李に止められ、青年はついうっかりといったように「ごめんね」と謝る。
だけど、はっきりと聞いてしまった。
「俺の血を吸いたくない?」
「楓、違うくて・・・」
「ごめん、ごめん。今のは僕が勝手に・・・」
「お前に聞いてないんだよ!」
「楓!」
人間の俺が貴族の子息にこんな口を聞くなんて、下手すりゃ処刑だ。
だけど、今の俺にそんなことを気にしてられる余裕はなかった。
「いいよ、いいよ。僕がいらないこと言ったし。とりあえず、僕は行くね」
そう言って、わざわざ優李の噛み痕を見せつけるかのように俺の横を通ってドアへ向かう。
「あっ、今日ちょっとしか飲めてないだろうから、もし血が足りなかったらいつでも言ってね」
爽やかな笑顔で出ていった奴と違い、その言葉でさらに優李の顔は青ざめていく。
言葉にされて処理できていなかった現状をようやく理解できた。
怯える優李に近づき、彼女の口に付いた血を拭う。
「優李、俺以外の血、吸ってたんだ」
「違っ・・・」
「違わないだろ!」
最近、優李が俺の血を吸う量が減っていたのはこういうことか。
俺を呼び出して見せつけてまで、俺の血を飲みたくなかったのか。
正直、優李が誰の血を吸おうと俺に怒る権利なんてない。
だけど、唯一の特別を奪われて嫉妬と悲しみに心が支配される。
「俺の血、不味くなった?」
「違うっ・・」
「俺の血を吸いたくないくらい」
「楓、聞いて・・・」
「あいつの血の方が美味かった?」
「楓!」
俺の首に抱きつき涙で声を震わせながら「お願い、聞いて」と哀願する優李。
そんな優李に一番聞きたくない質問をした。
「俺のこと要らなくなった?」
「そんな訳ないっ・・・」
「でも、血はあいつの方がいいんだろ?」
「違う!楓の血がいい!美味しいのは楓の血だけだよ」
「じゃあ、なんで!」
「・・・殺したくないの」
「え?」
予想外の言葉に俺はようやく優李の話に耳を傾けることができた。