真実の愛は嘘で守って・・・。
【似た者同士】Side楓
「本当に申し訳ございませんでした」
額を床に擦り付け、這いつくばって許しを請う。
「私からもお願いします。楓のことをどうかお許しいただけないでしょうか」
主人である優李に自分のことで頭を下げさせるなんて、俺は従者失格だ。
それでもただ頭を下げるしかない。
公爵家の子息にあんな無礼な口を聞いたのだから、俺が殺されても誰も文句を言う人はいない。
それがヴァンパイア社会での俺という人間の価値だ。
だが・・・。
「やめてよ。2人とも!ほら、早く頭上げて」
そう言って琉偉は優李だけでなく、俺にも手を差し伸べてくれた。
「もう、いきなりビックリするじゃん。というか、僕なんかされた?」
「この前、従者という身分でありながら琉偉様にぞんざいな口を聞いてしまい・・・」
「あぁ~、別にいいよ。気にしてないし」
「ですが・・・」
「僕がいいって言ってるんだからいいの。分かった?」
「・・・はい。寛大な処置を賜り誠にありがとうございます」
「うん。それより、優李ちゃん今日、血要る?」
許しを得たことで落ち着いた心が、その言葉で再び乱される。
優李に俺の血だけにして欲しいと頼んだけど、それを聞き入れてくれたのかは分からなかった。
「そのことなんだけど・・・」
「うん」
「これからは、ちゃんと楓に血をもらおうと思ってて。だから琉偉くんの血はもう・・・」
それを聞いて、俺の心は落ち着くどころか高鳴った。
でも、琉偉がどう言うか・・・。
そんな心配は一瞬で消え失せた。
「そっか、分かった。まぁ、それが普通だしね」
琉偉は拍子抜けする程あっさり了承し、そればかりか、血をこまめに摂取するようにすれば、1度に飲む量を減らせるので、人間の俺への負担が少なくて済むとアドバイスまでくれた。
なんで俺たちのことをここまで気にかけてくれるんだ?
そう不思議に思ったのは優李も同じだったようだ。
「ありがとう。でも、なんでそんなに気遣ってくれるの?」
「う~ん、似た者同士だからかな」
「似た者同士?」
「ほら、僕も結構、力強い方で。もちろん碧色の優李ちゃんには負けるけどね。
だから、吸血衝動が人よりキツイの分かるし。それに・・・」
「それに?」
「ううん。まぁそんな感じで力になりたいなと思ってね」
「そっか、ありがとう」
「そうだ。今度、僕の誕生日パーティーがあるんだけど、来てくれない?」
「誕生日パーティー?」
「そう、来週の土曜日に僕の屋敷で」
「分かった。ご迷惑でなければ、行かせていただきます」
「やった。あっ、楓くんも一緒に来てね。まぁ、従者だから一緒に来るか。
というか、2人って主人と従者以上の関係・・・」
「違うよ!」
俺が声を出すより先に優李が強く否定する。
「何言ってるの?確かに、他よりは仲いいかもだけど、私にとって楓はただの従者だよ」
分かっていた。たとえどれだけ大事にされたとしても、それは従者として。
だけど、いざ口に出されると太い杭で心臓を貫かれたように胸が痛む。
「そうだよね、ごめん。もし、そんな関係だったら楓くんがひどい目に遭うもんね」
「そう、だよ」
「ごめん、ごめん。とにかく、来週の土曜日楽しみにしてるね」
じゃあと、琉偉は先に出て行き優李と2人残された。
額を床に擦り付け、這いつくばって許しを請う。
「私からもお願いします。楓のことをどうかお許しいただけないでしょうか」
主人である優李に自分のことで頭を下げさせるなんて、俺は従者失格だ。
それでもただ頭を下げるしかない。
公爵家の子息にあんな無礼な口を聞いたのだから、俺が殺されても誰も文句を言う人はいない。
それがヴァンパイア社会での俺という人間の価値だ。
だが・・・。
「やめてよ。2人とも!ほら、早く頭上げて」
そう言って琉偉は優李だけでなく、俺にも手を差し伸べてくれた。
「もう、いきなりビックリするじゃん。というか、僕なんかされた?」
「この前、従者という身分でありながら琉偉様にぞんざいな口を聞いてしまい・・・」
「あぁ~、別にいいよ。気にしてないし」
「ですが・・・」
「僕がいいって言ってるんだからいいの。分かった?」
「・・・はい。寛大な処置を賜り誠にありがとうございます」
「うん。それより、優李ちゃん今日、血要る?」
許しを得たことで落ち着いた心が、その言葉で再び乱される。
優李に俺の血だけにして欲しいと頼んだけど、それを聞き入れてくれたのかは分からなかった。
「そのことなんだけど・・・」
「うん」
「これからは、ちゃんと楓に血をもらおうと思ってて。だから琉偉くんの血はもう・・・」
それを聞いて、俺の心は落ち着くどころか高鳴った。
でも、琉偉がどう言うか・・・。
そんな心配は一瞬で消え失せた。
「そっか、分かった。まぁ、それが普通だしね」
琉偉は拍子抜けする程あっさり了承し、そればかりか、血をこまめに摂取するようにすれば、1度に飲む量を減らせるので、人間の俺への負担が少なくて済むとアドバイスまでくれた。
なんで俺たちのことをここまで気にかけてくれるんだ?
そう不思議に思ったのは優李も同じだったようだ。
「ありがとう。でも、なんでそんなに気遣ってくれるの?」
「う~ん、似た者同士だからかな」
「似た者同士?」
「ほら、僕も結構、力強い方で。もちろん碧色の優李ちゃんには負けるけどね。
だから、吸血衝動が人よりキツイの分かるし。それに・・・」
「それに?」
「ううん。まぁそんな感じで力になりたいなと思ってね」
「そっか、ありがとう」
「そうだ。今度、僕の誕生日パーティーがあるんだけど、来てくれない?」
「誕生日パーティー?」
「そう、来週の土曜日に僕の屋敷で」
「分かった。ご迷惑でなければ、行かせていただきます」
「やった。あっ、楓くんも一緒に来てね。まぁ、従者だから一緒に来るか。
というか、2人って主人と従者以上の関係・・・」
「違うよ!」
俺が声を出すより先に優李が強く否定する。
「何言ってるの?確かに、他よりは仲いいかもだけど、私にとって楓はただの従者だよ」
分かっていた。たとえどれだけ大事にされたとしても、それは従者として。
だけど、いざ口に出されると太い杭で心臓を貫かれたように胸が痛む。
「そうだよね、ごめん。もし、そんな関係だったら楓くんがひどい目に遭うもんね」
「そう、だよ」
「ごめん、ごめん。とにかく、来週の土曜日楽しみにしてるね」
じゃあと、琉偉は先に出て行き優李と2人残された。