真実の愛は嘘で守って・・・。
優李は有言実行し、夏休みに入ってから候補者の子息たちと交流を持った。
俺は従者として同行し、夫候補者たちが優李の手を握ったり、腰に手を回したり、手の甲にキスをしたりする度、良いことだと自分に言い聞かせ、優李の婚約者選びを側で見守った。
そして優李と2人きりの時も、無駄な接触はせず、できるだけ敬語を使うようにし、仕事が終わったらすぐ優李の部屋を出るようにして、従者としての責務だけを全うするようにした。
「楓、なんか最近、変じゃない?」
徐々に変えているつもりだったが、さすがに当の本人には気づかれてしまった。
「今まで従者なのに馴れ馴れしかったから。これからは、ちゃんとした従者になろうと思って」
「何それ。今までどおりでいいよ」
「よくないです。優李は結婚するんだから。
妻になる人が異性の従者と超仲良しとか普通に嫌だろ。
ちゃんとした主人と従者の関係を保たないと」
これからは少しでも関係を怪しまれることは避けないと、優李の一生側にいるという誓いを守れなくなる。
そして俺の優李への分不相応な想いも、優李と距離を置く方が整理がしやすい。
「じゃあ、これからずっとそんな感じ?」
「そうですね」
「・・・そっか」
そんな悲しそうな顔するなよ。
優李を抱きしめたい気持ちが堪えきれなくなる前に、俺は優李の部屋を後にした。
俺は従者として同行し、夫候補者たちが優李の手を握ったり、腰に手を回したり、手の甲にキスをしたりする度、良いことだと自分に言い聞かせ、優李の婚約者選びを側で見守った。
そして優李と2人きりの時も、無駄な接触はせず、できるだけ敬語を使うようにし、仕事が終わったらすぐ優李の部屋を出るようにして、従者としての責務だけを全うするようにした。
「楓、なんか最近、変じゃない?」
徐々に変えているつもりだったが、さすがに当の本人には気づかれてしまった。
「今まで従者なのに馴れ馴れしかったから。これからは、ちゃんとした従者になろうと思って」
「何それ。今までどおりでいいよ」
「よくないです。優李は結婚するんだから。
妻になる人が異性の従者と超仲良しとか普通に嫌だろ。
ちゃんとした主人と従者の関係を保たないと」
これからは少しでも関係を怪しまれることは避けないと、優李の一生側にいるという誓いを守れなくなる。
そして俺の優李への分不相応な想いも、優李と距離を置く方が整理がしやすい。
「じゃあ、これからずっとそんな感じ?」
「そうですね」
「・・・そっか」
そんな悲しそうな顔するなよ。
優李を抱きしめたい気持ちが堪えきれなくなる前に、俺は優李の部屋を後にした。