真実の愛は嘘で守って・・・。
【私が本当に欲しいのは。】:Side優李
私とは違うサラサラの黒髪に、少し重ための二重瞼。
鼻筋は通っていて、唇は薄めで形がいい。
「何?どうした?」
私の視線に気づいた楓が、黒い瞳をこちらに向ける。
「かっこいいなと思って」
一瞬驚いた表情を見せたけど、「冗談言える元気があってよかったよ」と流されてしまった。
冗談じゃないんだけどな。
慣れない夜会で気を張っていたせいか、珍しく体調を崩してしまった私は、学校を休み楓の看病を受けている。
「とりあえず、熱はないな」
体温計を見て呟く楓。
「うん、どっちかっていうと寒い」
「じゃあ、掛布団増やすか」
そう言って、もう1枚布団を優しくかけてくれる。
「食事は?なんか食べれそう?」
「う~ん、ゼリーとか軽いものなら」
「分かった。持ってくるからゆっくり休んでて」
そう言いながら私の頭を軽く撫で、楓は部屋から出ていった。
楓と初めて会った時、楓は怯え、震えていた。
そりゃそうだ、ヴァンパイアの元にいきなり連れてこられ、首に牙を立られ血を吸われようとしているのに、怖くないはずがない。
私は元々、血は不味くて好きではなかったし、震える楓を見て子どもながらにこの子は私が守ると決意した。
それから楓を話し相手、遊び相手として側に置いたが、私の力が暴走することを恐れていた家族は、そのことに対して何も言わなかった。
楓の存在は私を孤独から救ってくれて、血を吸おうなんて考えもしなかったけど、ある時、手をケガした楓が「血、飲む?」と提案してきた。
いつも血が不味いと嘆く私を見ていたのだろう。
なんとなく楓の血は美味しそうだなと思って、舐めてみたところ予想は的中。
「美味しい!」と目を輝かせる私を見て「じゃあ、今度から僕の血をあげる」と嬉しそうに笑う楓に心臓が不自然に跳ねた。
今思うと、あれが楓に恋した瞬間だった。
でも、そんなことを知らない楓は、未だに自分が片思いだと思っている。
鼻筋は通っていて、唇は薄めで形がいい。
「何?どうした?」
私の視線に気づいた楓が、黒い瞳をこちらに向ける。
「かっこいいなと思って」
一瞬驚いた表情を見せたけど、「冗談言える元気があってよかったよ」と流されてしまった。
冗談じゃないんだけどな。
慣れない夜会で気を張っていたせいか、珍しく体調を崩してしまった私は、学校を休み楓の看病を受けている。
「とりあえず、熱はないな」
体温計を見て呟く楓。
「うん、どっちかっていうと寒い」
「じゃあ、掛布団増やすか」
そう言って、もう1枚布団を優しくかけてくれる。
「食事は?なんか食べれそう?」
「う~ん、ゼリーとか軽いものなら」
「分かった。持ってくるからゆっくり休んでて」
そう言いながら私の頭を軽く撫で、楓は部屋から出ていった。
楓と初めて会った時、楓は怯え、震えていた。
そりゃそうだ、ヴァンパイアの元にいきなり連れてこられ、首に牙を立られ血を吸われようとしているのに、怖くないはずがない。
私は元々、血は不味くて好きではなかったし、震える楓を見て子どもながらにこの子は私が守ると決意した。
それから楓を話し相手、遊び相手として側に置いたが、私の力が暴走することを恐れていた家族は、そのことに対して何も言わなかった。
楓の存在は私を孤独から救ってくれて、血を吸おうなんて考えもしなかったけど、ある時、手をケガした楓が「血、飲む?」と提案してきた。
いつも血が不味いと嘆く私を見ていたのだろう。
なんとなく楓の血は美味しそうだなと思って、舐めてみたところ予想は的中。
「美味しい!」と目を輝かせる私を見て「じゃあ、今度から僕の血をあげる」と嬉しそうに笑う楓に心臓が不自然に跳ねた。
今思うと、あれが楓に恋した瞬間だった。
でも、そんなことを知らない楓は、未だに自分が片思いだと思っている。