オルガンイズムにあがく鳥

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タイヤのない車を車とは呼ばない。

リヤカーという名前がついているらしいが……

現物を見ても、実感は湧かない。

原理は簡単だし理解するのも難しくない。

道路に磁石が組み込まれており、リヤカーの底についている磁力が反発して進んだり、止まったりするのだ。

磁力のコンピューター制御は難しいことではない。

まさに完全無欠の自動操縦マシーン。

運転手が行うことといえば、目的地の入力だけ。

こうすれば、こんな閉鎖空間でも無駄に排気ガスを出すこともない。

道路から脱線することも。

リヤカー同士が磁力で反発しているので、衝突事故もない。

まったく……便利な世の中だ……。

ただ難点を言うなら、車を動かすのではなく道路によって動かされるため、指定速度を一切破れないことだろうか。