オルガンイズムにあがく鳥
「ありゃあ……事故かな?」

おい……たった今、事故は起きないという風に説明してなかったか……?

「それほど大きな騒ぎではないところを見ると、犬か猫かな……ああ、なんてことでしょうね」

しかも、犬や猫でも警察が動き出すような事件になるのかよ、ここは……。

紫苑はリヤカーのドアを開いた。

「じゃあ、いいです。ここからは歩いて行けそうなんで」

「おや、そうですか?」

「ええ。いろいろどうもでした」

簡単な礼をして、外に出る。

信号に書かれている番地を見て、現在位置を確認。

地図はもらっていたし、ここからでも充分歩いていける距離だと、確信を得る。

さて……方向的には……。

地図を片手にしばらく歩いていく。

街並みは、清潔的で、白い。つまり純白。

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