オルガンイズムにあがく鳥
女が足を組み、膝に肘を置いた。かわいらしい顔に、頬杖。

「外の世界は……どうなの?」

「どう? 曖昧な質問だな」

「だから、……自由、なの? って訊きたいの」

自由……だと?

―― なあ紫苑。空を飛ぶ鳥は自由だと思うか?

アイツらは自由なんかじゃない……空に閉じ込められたんだよ。

地上を追い出され、空に幽閉され……アイツらは、ああやって一生翼をばたつかせながら、あの空で、無限にあがき続けなきゃならないんだよ。

……それって、自由だと思うか? ――

「……意味がわからないな」

「そうね。いきなりそんなことを訊いても、理解はできないでしょうね。いえ、理解しようとしない、というか」

この女の意図はなんなのだろう。

さっぱり要点を掴めない。

いや、今の女の言葉を借りるなら、要点を掴もうとしていないのか、俺は?
< 26 / 98 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop