オルガンイズムにあがく鳥
「オカエリナサイマセ、ゴ主人サマ」

家に帰ると、メイドがいた。

黒い丈長ワンピースに白のエプロンとヘッドドレス。楚々とした佇まい。

これを見てガン〇ムと思うヤツはいまい。

「バ〇ダイ……すごいな……」

どこかの、バカ以外……。

「申シ訳アリマセンガ、私ハばんだいトイウ会社ノ製品デハアリマセン」

「うん、わかってるから。お前にはまずツッコミを教える必要があるな、うん」

人と同じ形、年頃の娘で設計されているものの、肌が銀色である。

ふんわりした半袖から覗く二の腕に、『シャア専用だよ~』と書かれている文字は気にしないでおく。

これで足に、『僕が一番うまく操れるんだ!』と書かれてあったら、さすがに吹き出しそうだが。

別に部屋の奉仕をしてくれる存在は、要らなかった。

自分のことは自分でやれる。

なのに……

このメイドロボットも、支給品なのだろうか。

邪魔なだけだ。

せいぜい、ツッコミかゲーム相手ぐらいしか、紫苑にはメイドロボの使い道が思い付かなかった。

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