オルガンイズムにあがく鳥
「失礼ナガラ、今ノゴ主人サマハ大変臭イマス。コレデハ明日カラノ仕事ノ同僚ノ方々ニ、ゴ迷惑ガカカルカト」

なるほど。この世界では『清潔』であることが強制されるわけか。

そんなもの……七面倒くさくて、窮屈でしかないというのに……。

「はあ、わかった、わかった」

―― この世界の清浄さにどこまで耐えられるかしら、ね? ――

シャワー室に向かう途中、不意にあの時の女の言葉が頭をよぎった。

そういえばアイツ……名前なんていうんだろうな?

気になったが、もう逢うこともないだろう。

頭を振って、忘れることにした。

そしてその後……結局洗い方が足りないと指摘され、紫苑はメイドロボに三時間、シャワー室に拘束されたのだった。

そのとき早くも、勘弁してくれ、と涙が出たのは、余談、
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