オルガンイズムにあがく鳥
「そう、ですか……?」

完璧、か。

そりゃあ、ロボットだもんな。完璧だろう。

でもさ……

「気持ち悪くないか? この歳になって……。メシぐらい自分で作れるし、洗濯だってできる。基本的にひとりでできるのに、世話を焼く相手なんて」

安易に監視されている生活なんて窮屈じゃないか? という意味を、裏に込める。

「気持ち悪い? そんなこと、考えたことないな……。桂木さん、君は外の世界にいたからそう思うだけだよ。もう少ししたら、このオルガンイズムのすばらしさ、そして君のメイドロボの優秀さがわかると思うよ。大丈夫、心配要らないよ」

そうですか……。

なんだか、爽やかな笑顔と共に、心配までされてしまった。

すばらしさ……ね。俺は自分の世界に満足している人間を初めて見たよ。

鳥ですら、地上で暮らせることを切に望み、やまないというのに。
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