オルガンイズムにあがく鳥
「そっちこそ、教会の中でお寝んねしてる坊っちゃんが、そこまで博識とはね」

悔しいから言い返した――瞬間、首筋にひたりと、冷たい感触。

「言葉を慎みなさい。仮にも世界最高の『法律』を前にしているのよ。監視、盗聴されていないと思ってるの?」

エヴァだった。

どうやら――アダムと対等に話せる権利を与えられているのはエヴァだけらしい。

コイツ……本当にアダムから骨でも分けてもらっているのか?

「……すまん」

言うと、エヴァは鉄棒をしまい込む。

……ン? 今どこにしまった? 消えたように見えたんだが……。

アダムが言う。

「別に構わないのに。いや、むしろ嬉しいくらいかな。今まで僕を『坊っちゃん』なんて呼ぶ人間はいなかった。なるほど素晴らしいよね、君は。対象者を目前にして、平然とバカにできるんだね」

コイツ、価値観が、ずれている……
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