オルガンイズムにあがく鳥
「殻に、棘もかあ……。でも、それも魅力だね。なんて誘惑だろう。思考の中枢に熱湯を注がれたような気持ちだね。あぁ、はは、願わくは――その目が僕のものになればいいのに」

アダムの目――それは、アダムが世界を見渡すために用意される。

その目がはめ込まれた瞬間、アダムは完成し、世界最高の『法律』が出来上がる。

宗教なく……利害なく……貧困なく……差別なく……。

「俺はごめんだな。悪いが、世界なんて直視できたものじゃない」

貧困にあえいだのは、俺達だけではない。

いや……むしろ日本ですらこれなのだ。ほかの国ではどうなっているのか……考えるだけでも、恐ろしい。
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