オルガンイズムにあがく鳥
ひとり残されるアダム。

荘厳な『教会』内部には、耳鳴りのするほど、沈黙が降りる。

彼の背後に、影がたっていた。無論、アダムは気付いている。

そして静かに……沈黙を割るのではなく、沈黙の流れと踊るように、口を開く。

「ねぇ……彼こそ、僕の目に相応しいと思わない?」

「……仰せの通りに……」

「よろしくね、ふふ……」

影は静かに、消え去っていった。
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