オルガンイズムにあがく鳥
「おま……住居不法侵入という言葉を知らんのか?」

「超法的処置という言葉でお返しするわ」

「少なくとも今は適用されないだろ!」

「細かいこと気にすると禿げるわよ」

こ、コイツ……。

「あ、朝食、パンでいいわよね? 目玉焼きも焼いたんだけど、食べる?」

しかも人様の台所まで勝手にいじってるのか。

「食べるよ! っ、とりあえず……ありがと」

テーブルにつくと、エヴァがパンと目玉焼きを持ってくる。いつのまにか、向かいの席にはエヴァの分のパンと目玉焼きが載っている。

「そうそう。最初から素直が一番よ」

……殴る。絶対、あとで殴る。

かわいらしい唇が、ちぎったパンを頬張る。それを飲み込んで、エヴァは澄ました顔をした。

「アダムの目に選出されたんですってね。……オメデト」

ああ、もう知ってるのか……っていうか、コイツは表向き、アダム作成の中核にいたんだよな。

つまりは、俺よりもずっと前に知っていたというわけか。まったく、とんだ食わせ者だ。
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