オルガンイズムにあがく鳥
「――あ゛ぁ、あ゛ぁあ゛ああ゛ぁぁぁぁ!!」

『教会』から出た時、中から叫び声が聞こえた。

……壊れたか。

気にすることではなかった。

アダムは未完成だったのだ。

こんなにも簡単に、壊れてしまうほど。

言っていただろうが。殻も棘もあるんだよ、俺っていう禁断の果実はな。

「さあて、……逃げるとしますかな」

アダムを裏切ったとあらば、オルガンイズムの中にいることもできまい。

桜田の言う第一級犯罪どころではない。

なんとかして、ここから外へ脱出する方法を――

「Hey――裏切り者」

考えた瞬間、一台のバイクが目の前に止まった。

磁石で動く代物ではない。ガソリンを使用した、排気ガスを撒き散らす『外』の代物だ。

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