アンノウアブル!憧れだった先輩が部下になりました
 「で?どーすんだよ」

 蓮見は嫌そうな表情で千里に尋ねる。

 「どーするって、やるしかないでしょ」

 蓮見の言葉に千里は早速、張り込み捜査の場所を確認する。

 「六本木って…、えらい都会ね」

 千里の言葉に紅葉も「そうっスね」と呟く。

 「張り込むのはこのマンションね」

 どうやら、建設途中マンションから向かいのマンションを張り込む算段らしい。

 「随分といい場所に住んでるわね」

 千里はPCでマップビューアーを起動させるとマンションの外観を確認する。

 「住んでんのは取引相手な」

 「でも、こんな高級マンションに住んでるお客様って一体誰なのかしら」

 どこぞの企業の社長とかだろうか?

 「多分、女だろうな」

 一人考える千里の隣で蓮見が呟く。

 「女?」

 「おう、最近増えてんだよ。金持った男が愛人侍らせて高級マンションに住まわせんの」

 蓮見はさも、知ったかのように口を開く。

 「そんなの、行ってみなきゃわからないでしょ」

 千里は反論する。

 「じゃあ、早速張り込みして確かめてみるか?」

 蓮見はそういうと、椅子にかけてたスーツを羽織る。いつもの事ながら、あの根拠の無い自信はどこから湧いてくるのだろう。

 「もし男だったら蓮見君ジュース奢ってよね」

 千里はそう言うと、三人は会議室を後にした。
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