ギター弾きの天使とデュエットを ~言葉を話さぬ彼に惹かれて、二人は同じ夢を見る~
「ありがとうございましたー!」
歌を終えて、聴いてくれた観客に礼を述べれば、割れんばかりの拍手を送ってもらえた。それが嬉しくて、チャコは深く頭を下げると、大きく手を振りつつステージを降りていった。
そして、ジャンがいた場所へ急いで向かったが、彼はもうその姿を消していた。
「恵、由香! 聴いてくれてありがとう! あのね、ジャン見なかった?」
恵と由香の姿を見つけるとチャコはすぐさまそう尋ねた。
「え、天使来てるの? ごめん、見てないや」
「私も気づかなかった」
二人ともジャンの姿に気づいていなかったらしい。
「そっか。ごめん、ちょっと探してきてもいい?」
このあと二人と一緒に過ごす予定だったのだが、チャコはどうしてもジャンに会って話がしたかった。
「いいよ! 行っといで!」
「天使さん見つかるといいね。行ってらっしゃい」
恵も由香も快く送り出してくれた。チャコはもう一度会場を見渡してジャンの姿がないことを確認すると、二人に礼を言ってから急いでそこを出た。
どこを探せばいいのかはわからない。けれど、ジャンがどこかの出し物を見にいくとも思えないから、校舎の中にはいない気がした。だったら外を探そうと足を踏みだしたところで誰かが「チャコ」と呼びかけてきた。航平だった。
歌を終えて、聴いてくれた観客に礼を述べれば、割れんばかりの拍手を送ってもらえた。それが嬉しくて、チャコは深く頭を下げると、大きく手を振りつつステージを降りていった。
そして、ジャンがいた場所へ急いで向かったが、彼はもうその姿を消していた。
「恵、由香! 聴いてくれてありがとう! あのね、ジャン見なかった?」
恵と由香の姿を見つけるとチャコはすぐさまそう尋ねた。
「え、天使来てるの? ごめん、見てないや」
「私も気づかなかった」
二人ともジャンの姿に気づいていなかったらしい。
「そっか。ごめん、ちょっと探してきてもいい?」
このあと二人と一緒に過ごす予定だったのだが、チャコはどうしてもジャンに会って話がしたかった。
「いいよ! 行っといで!」
「天使さん見つかるといいね。行ってらっしゃい」
恵も由香も快く送り出してくれた。チャコはもう一度会場を見渡してジャンの姿がないことを確認すると、二人に礼を言ってから急いでそこを出た。
どこを探せばいいのかはわからない。けれど、ジャンがどこかの出し物を見にいくとも思えないから、校舎の中にはいない気がした。だったら外を探そうと足を踏みだしたところで誰かが「チャコ」と呼びかけてきた。航平だった。